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キャリアアップ転職で失敗しない方法|賃金が下がる3割の実態

キャリアアップ転職で失敗しない方法|賃金が下がる3割の実態

この記事では、キャリアアップ転職の意味を4つの方向に整理し、厚生労働省の最新統計から転職後の賃金が上がる人・下がる人の割合を年齢別に示します。転職か社内昇進かの判断基準、失敗パターン、進め方までを扱います。

キャリアアップ転職とは?目指す方向は4つに分かれる

キャリアアップ転職とは、今より高い役職・専門性・待遇・裁量を得ることを目的に、会社を移ることです。「キャリアアップ」という言葉は人によって指す中身が違います。何を上げたいのかが曖昧なまま動くと、転職後に「上がったのか、下がったのか」を自分で判定できなくなります。

方向具体例転職先で確認すること
役職・マネジメントリーダーや課長など管理職への昇進管理職の登用実績、部下の人数
専門性資格や高度な実務経験の積み上げ担当できる業務範囲、案件の規模
年収・待遇給与、賞与、手当の増加年収の内訳(固定給・賞与・残業代)、評価制度
裁量・環境意思決定の範囲、成長分野への移動決裁の権限、事業の成長性

4つすべてを一度に満たす転職は多くありません。役職は上がるが年収は据え置き、という条件の求人もあります。「自分がいちばん上げたいのはどれか」に順位をつけることが、求人を選ぶ最初の作業です。

似た言葉との違いも整理しておきます。

  • キャリアアップ:同じ職種・分野で、役職・専門性・待遇を高めること
  • スキルアップ:能力そのものを高めること。転職しなくても実現できる
  • キャリアチェンジ:職種や業界を変えること。経験の評価のされ方が変わる

キャリアアップ転職で賃金は上がる?厚生労働省の最新データ

年収アップを期待して動く人は多い一方で、統計を見ると結果は一様ではありません。厚生労働省「令和7年(2025年)雇用動向調査」で、前職と比べた転職入職者の賃金の変化は次のとおりです。

前職と比べた賃金割合内訳
増加40.8%1割以上の増加:28.2%
変わらない25.5%–
減少31.0%1割以上の減少:21.9%

転職者のおよそ3人に1人は、前職より賃金が下がっています。増加が減少を9.8ポイント上回るため、転職は全体としては賃金面で有利に働いています。ただし、転職すれば上がるとは限りません。

年齢別に見ると差が開く

同じ調査を年齢階級別に見ると、増加と減少の関係は年齢とともに変わります。

年齢賃金が増加賃金が減少
20〜24歳55.2%17.5%
25〜29歳49.8%23.9%
30〜34歳48.6%29.0%
35〜39歳43.5%23.9%
40〜44歳44.9%27.4%
45〜49歳41.1%30.1%
50〜54歳29.4%42.0%
55〜59歳25.5%38.9%

増加が減少を上回るのは49歳までです。50〜54歳では増加が29.4%、減少が42.0%と逆転します。30代・40代でも、減少は3割前後あります。

注意点として、この統計は転職者全体が対象で、キャリアアップを目的にした転職だけを抜き出した数字ではありません。役職や専門性を得る代わりに賃金が横ばいになる選択も含まれるため、賃金が下がったことがそのまま失敗とは限りません。

ただ、下がると分かったうえで選んだ場合と、知らないまま下がった場合とでは、入社後の納得感がまったく違います。出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」

転職するか、社内でキャリアアップするか|判断の分かれ目

転職が目的化すると、今の会社で実現できたはずのキャリアアップを見逃します。逆に、社内の昇進を待ち続けて時間だけが過ぎるケースもあります。違いは次の表のとおりです。

比較項目転職する社内で目指す
役職・年収の変わり方入社時の条件交渉で一度に変わる可能性がある昇格・昇給の時期と評価制度に左右される
経験の幅新しい業務・環境に移れる社内の異動範囲に限られる
主なリスク社風が合わない、賃金が下がる場合がある上位ポストが空かず、時間がかかる
向く状況現職に上のポストや役割がない昇進のルートがあり、時期が見えている

転職に傾く前に、次の3点を確認してください。

  • 上司や人事に上のポストへの道筋を聞いても、時期や条件が示されない
  • 身につけたい経験が、社内の異動では得られない
  • 同じ職種の求人で、今より高い役割や条件が実際に確認できている

1つ目と2つ目が当てはまっても、3つ目が確認できていなければ、まだ動く段階ではありません。先に求人を見て、市場での自分の条件を知ることが、転職するかどうかの判断材料になります。

キャリアアップ転職で失敗しやすい5つのパターン

賃金が下がった3割の人が全員、準備不足だったわけではありません。それでも、後悔につながりやすい動き方には共通点があります。

1.「成長したい」だけで目的が決まっていない

4つの方向のどれを上げたいのかが決まっていないと、求人の比較軸がありません。面接で転職理由を聞かれたときにも答えが抽象的になり、入社後に「思っていたキャリアと違う」と感じる原因になります。

2. 年収の総額だけで求人を選ぶ

提示年収が高くても、内訳が固定給なのか、賞与や残業代を含んだ金額なのかで中身は変わります。みなし残業代が含まれているか、賞与が業績連動かを、応募前に求人票で確認してください。

3. 役職名だけで判断する

同じ「リーダー」でも、予算や人事の権限を持つ会社と、実務の取りまとめ役にとどまる会社があります。肩書きではなく、任される範囲と部下の人数を面接で聞いておく必要があります。

4. 職種も業界も同時に変える

職種と業界を同時に変えると、前職の実績を評価の根拠にしにくくなります。キャリアアップが目的なら、まず職種か業界のどちらかを固定し、経験が評価される範囲で動くほうが条件交渉をしやすくなります。

5. 今の職場から離れたい気持ちが出発点のまま動く

「キャリアアップ」と言いながら、本音は今の環境から抜け出したいだけ、という場合があります。不満が動機の転職は、転職先に求める条件が曖昧になり、同じ不満を繰り返しやすくなります。不満を書き出したうえで、その裏返しとして「何を得たいのか」に言い換えてから動いてください。

ここまで読んで、自分の目的が4つの方向のどれなのか、まだ決めきれていないのであれば、求人を眺める前に、経験の棚卸しと市場での立ち位置の確認を済ませておくと迷いが減ります。第三者に経歴を見てもらうと、自分では気づかない強みが見つかることもあります。

キャリアアップ転職の進め方|5つのステップ

目的が定まったら、次の順で進めます。

  1. キャリアの棚卸し:担当業務・役割・成果を書き出す
  2. 優先順位の決定:役職・専門性・年収・裁量のうち、譲れないものを1〜2つに絞る
  3. 市場価値の確認:同じ職種の求人で、年収や条件の相場を調べる
  4. 求人の見極め:肩書きではなく、権限・評価制度・年収の内訳を読む
  5. 面接での確認:入社後に任される業務と、昇格の実績を質問する

棚卸しは「数字」と「役割」で書く

棚卸しでは、担当した業務の名前だけでなく、成果と立場を具体的に書き出します。

書き方例
弱い例法人営業を担当していました
強い例法人営業として新規開拓を担当し、前年比120%の売上を達成。後輩2名の育成も担当

強い例のほうが、応募先は入社後の活躍を想像できます。数字が出せない場合は、担当した顧客数や案件数、関わった人数でも構いません。

転職エージェントを使うメリット

転職エージェントは、求職者が費用を負担せずに使えるサービスです。求人の紹介に加えて、年収などの条件交渉や、応募書類の添削を受けられます。キャリアアップ転職では、自分の経歴で狙える役職や年収の水準を、第三者の目で確認できる点が助けになります。

面接・応募書類で「キャリアアップ」をどう伝えるか

「キャリアアップしたい」だけでは、志望動機として弱くなります。採用側が知りたいのは、その成長を自社でどう実現し、どう貢献するのかだからです。伝えるときは次の3点を揃えてください。

  • 実績:これまでの成果を数字で示す
  • 次の役割:応募先で任されたい業務を具体的に示す
  • 貢献:身につけた経験を、応募先でどう生かすか

転職理由の答え方は面接の転職理由の答え方と失敗例で、「キャリアアップ」を理由にするときの言い換えは転職理由をキャリアアップと伝えるときの言い換え例文でまとめています。

面接の転職理由はこう答える|落ちる人が避ける3つの失敗と例文 面接の転職理由はこう答える|落ちる人が避ける3つの失敗と例文

管理職を目指す場合は、マネジメント経験の書き方が書類選考の分かれ目になります。管理職の職務経歴書の書き方も参考になります。

条件の優先順位が決まった段階なら、次は自分の経歴で狙える求人の水準を確かめる番です。応募する前に相場を知っておくと、提示された条件が妥当かを自分で判断できます。

まとめ

キャリアアップ転職のまとめ

  • キャリアアップは役職・専門性・待遇・裁量の4方向に分かれ、先に優先順位を決める
  • 令和7年の統計では転職者の40.8%で賃金が増加、31.0%で減少。50代前半からは減少が上回る
  • 転職の前に、社内で実現できないかと、求人の相場を確認する
  • 面接では実績・次の役割・貢献の3点を揃えて伝える

上げたいものが決まっていれば、転職後に結果を自分で判定できます。まずは経験の棚卸しから始めてください。

キャリアアップ転職に関するよくある質問

キャリアアップ転職は何歳までに動くべきですか?

年齢の上限はありませんが、令和7年雇用動向調査では、賃金が増える割合が減る割合を上回るのは49歳までで、50〜54歳では逆転しています。ただし管理職や専門職など経験が評価される職種では状況が異なります。年齢だけで判断せず、自分の職種の求人で条件を確認してください。

キャリアアップ転職と年収アップ転職は同じですか?

同じではありません。年収アップは4つの方向のうち待遇だけを指します。キャリアアップには役職や専門性、裁量も含まれるため、年収が横ばいでも目的を満たす転職はあります。何を上げたいのかを先に決めると判断しやすくなります。

未経験の職種でもキャリアアップ転職はできますか?

職種を変える転職はキャリアチェンジに当たります。前職の実績を評価の根拠にしにくいため、役職や年収が前職を上回る条件は得にくくなります。キャリアアップが目的なら、まず同じ職種か業界のどちらかを固定して動く方法があります。

転職エージェントには相談だけでも利用できますか?

求職者は無料で利用でき、転職を決めていない段階で相談することもできます。経歴の棚卸しや市場価値の確認だけでも活用できます。登録後に求人の紹介が届く場合があるため、希望の連絡方法や頻度は最初に伝えておくと負担が減ります。