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退職手当とハローワークの関係|公務員が退職後1年以内にする手続き

退職手当とハローワークの関係|公務員が退職後1年以内にする手続き

この記事では、退職手当とハローワークの関係を整理し、公務員が受け取れる「失業者の退職手当」の条件・金額の考え方・手続きの流れを解説します。民間の退職金や失業手当との違いも確認できます。

退職手当はハローワークで受け取れる?答えは「公務員で、差額が出る場合だけ」

退職手当そのものは、ハローワークから支給されるお金ではありません。退職手当は、勤めていた官庁や自治体が退職時に支払うものです。

ハローワークが関わるのは、退職手当の額が雇用保険の失業給付に相当する額に満たなかった公務員に、その差額を支給する「失業者の退職手当」です。国家公務員は国家公務員退職手当法第10条が根拠で、地方公務員は各自治体の条例や規則に基づいて運用されています。

公務員は一般に雇用保険の適用から外れているため、民間の失業手当(基本手当)の代わりにこの仕組みが用意されています。違いを表にまとめます。

項目民間企業の会社員公務員
退職時の一時金退職金(会社の規程による)退職手当
失業中の給付失業手当(雇用保険の基本手当)失業者の退職手当
支給の条件雇用保険の加入期間などを満たすこと退職手当が失業給付相当額に満たないこと
手続きの窓口ハローワークハローワークと所属先(自治体・官庁)

ここに最初の落とし穴があります。「退職手当をもらったのだから、ハローワークは関係ない」と考えて動かないまま、退職の翌日から1年という期限が過ぎてしまうケースです。期限を過ぎると、受け取れたはずの差額も請求できなくなります。

失業者の退職手当を受けられる3つの条件

自治体の案内では、次の3つをすべて満たした場合に支給されるとされています。

  • 常勤職員として勤続12か月以上で退職したこと
  • 退職の日の翌日から1年以内に失業していること
  • 退職手当の額が、雇用保険法の失業給付に相当する額に満たないこと

勤続期間は、退職時に65歳以上の場合は6か月とする自治体もあります。要件の細部は自治体ごとに異なるため、所属していた自治体や官庁の案内で確認してください。

「失業」の意味

ここでいう失業は、「働いていない状態」とは別物です。自治体の資料では、退職後に就職しようとする意思があり、いつでも就職でき、職を探しているのに就職できない状態と定義されています。

  • しばらく休養したい、すぐには働けない場合は失業に当たらない
  • 求職活動をしていない期間は認定されない

対象外になりやすいケース

非常勤職員や再任用職員は、対象外とする自治体があります。退職手当が大きい場合は失業給付相当額を上回り、差額が出ないため支給されません。

対象になるかどうかは、勤続年数・給与・退職時の年齢で変わります。自分で判断せず、所属先の担当課に退職前から問い合わせておくと確実です。

失業者の退職手当の金額|計算の考え方と対象外になる境目

金額は、民間の失業手当と同じ雇用保険法の規定を使って算出します。岡山県の案内では、次の手順が示されています。

  1. 退職の月の前6か月に支払われた給与の総額を180で割り、賃金日額を出す
  2. 賃金日額に雇用保険法の規定を当てはめ、基本手当の日額を決める
  3. 基本手当の日額と所定給付日数から、失業給付に相当する額を求める

群馬県の資料は、失業者の退職手当を「基本手当の日額×(所定給付日数−待期日数)」と表し、この額が退職手当を上回る場合だけ支給対象になると整理しています。受け取れるのは、その差額分です。

比較結果
失業給付相当額が退職手当より多い差額が支給される
失業給付相当額と退職手当が同額か、退職手当が多い支給されない

所定給付日数は、年齢・勤続年数・退職理由によって決まります。群馬県の資料では、一般の退職者と、倒産・解雇などで離職した特定受給資格者とで日数の表が分かれています。自分の日数と見込み額は、所属先の担当課に確認すると確実です。

手続きの流れ|ハローワークに行く前にやること

地方公務員の手続きは、岡山県の案内では次の順に進みます。書類の名称は自治体ごとに異なりますが、先に所属先で退職票をもらい、そのうえでハローワークへ行く点は共通しています。

  1. 所属先に退職票の交付を申請する
  2. 退職票・失業の証明書・受給資格者証の交付願の様式を受け取る
  3. 退職票と失業の証明書を持ってハローワークへ行き、求職の申込みと失業の証明を受ける
  4. 失業の証明書を添えて、受給資格者証の交付を所属先に願い出る
  5. 受給資格者証を持ち、毎月定められた日にハローワークへ出頭して失業の認定を受ける
  6. 支給願と口座振替申出書を所属先に提出し、手当が振り込まれる

国家公務員の場合も、退職票などの書類を持ってハローワークで求職の申込みと失業の認定を受ける流れです。

退職票がないと、ハローワークでの求職申込みと失業の証明が進みません。退職してから慌てるより、退職日が決まった時点で担当課に書類の準備を確認しておくと、1年の期限に余裕が生まれます。

見落としやすい注意点|受給期間の延長と2022年の特例

退職直後に病気や出産、育児で働けない場合でも、すぐに権利が消えるわけではありません。国の案内では、妊娠・出産・育児・病気やけがで30日以上続けて働けないとき、受給期間を延長できるとされています。

2022年7月1日の雇用保険法の改正に合わせ、公立学校職員の規則などでも次の見直しが行われました。

  • 事業を始めた場合に、その事業の実施期間を受給期間に算入しない特例
  • 求職者支援制度に基づく訓練を受ける場合に、訓練延長給付などの対象とする見直し

独立や資格取得を考えている方は、延長や特例が使えるかを手続きの前に確認してください。申請の時期を逃すと、延長できないことがあります。

退職手当の手続きと並行して次の仕事を探す場合、求職の申込みは失業認定の前提にもなります。公務員から民間への転職は、経験の伝え方で結果が変わります。迷っているなら、先に相談しておく方法もあります。

民間で働いていた方へ|退職金と失業手当の違い

民間企業を辞めた方が「退職手当」と検索した場合、知りたいのは会社の退職金か、ハローワークの失業手当のどちらかです。退職金は会社が支払うもので、ハローワークは関与しません。失業手当は雇用保険から支給され、ハローワークで手続きします。

項目退職金失業手当(基本手当)
支払う側会社雇用保険(国)
手続きの窓口会社の人事・総務ハローワーク
制度の有無会社の規程による雇用保険の要件を満たせば受給可

自己都合で退職した場合、失業手当は待期期間の7日間が過ぎたあとも、すぐには支給されません。厚生労働省の案内では、退職日が令和7年4月1日以降なら給付制限は原則1か月(同年3月31日以前は原則2か月)です。退職日から5年以内に正当な理由のない自己都合退職を繰り返している場合は、3か月になります。

退職金や失業手当の受け取りを見据えて、退職の時期を迷っている方は、ボーナスの支給時期との兼ね合いも一緒に考えると判断しやすくなります。

公務員を辞めるタイミングを考えるなら、ボーナスをもらってから辞めるべきかの考え方も参考になります。

自衛隊のボーナスをもらってから辞めるべき?退職のタイミング 自衛隊のボーナスをもらってから辞めるべき?退職のタイミング

過去の受給者は確認を|毎月勤労統計の追加給付

過去に失業者の退職手当を受給した方には、別の確認事項があります。毎月勤労統計の数値が再集計で見直されたため、給付額の算定に使われた数値が変わり、差額を追加で支給する対応がとられました。

  • 対象になり得る期間は、平成16年8月1日から平成31年3月17日までに受給した方
  • 受給時期や受給額によっては、追加給付が発生しない場合もある
  • 問い合わせ先は、当時、失業者の退職手当を受給したハローワーク

対象期間に受給した覚えがあるのに案内を受け取っていない場合は、受給したハローワークに問い合わせてください。

労働局のお知らせでは、都道府県労働局と、当時受給したハローワーク以外から電話や訪問で連絡することはないと注意が呼びかけられています。口座情報を求める不審な連絡があれば、手続きに進まず、ハローワークか労働局に確認してください。

公務員から民間へ転職するなら

失業者の退職手当を受け取れる期間は限られています。その間に次の仕事を決めようとすると、書類作成や応募先選びに追われがちです。給付が出ているうちに転職活動の土台を整えておくと、焦って条件の合わない会社に決めるリスクを減らせます。

  • 履歴書の職歴欄に、入庁・退職を正しい表記で書く
  • 行政の用語を、民間で通じる言葉に言い換える
  • 窓口対応や予算管理など、経験を件数や金額で示す

表記や書き方は公務員の職歴を履歴書に書く方法にまとめています。ここまで読んで、次の仕事の探し方で手が止まっているなら、公務員経験の活かし方を無料で相談できます。

まとめ

退職手当とハローワークのまとめ

  • 退職手当はハローワークからは出ず、公務員は差額を補う「失業者の退職手当」がある
  • 条件は、常勤で勤続12か月以上、退職の翌日から1年以内の失業、退職手当が失業給付相当額に満たないこと
  • 先に所属先で退職票をもらってからハローワークで求職申込みと失業認定を受ける
  • 民間の方の失業手当は、自己都合なら令和7年4月以降の退職で給付制限が原則1か月

退職日が決まったら、まず所属先の担当課に連絡し、1年の期限内に動き出してください。

退職手当とハローワークに関するよくある質問

退職手当はハローワークに申請してもらうものですか?

いいえ。退職手当は勤めていた官庁や自治体が退職時に支払うもので、ハローワークへの申請は不要です。ハローワークで手続きするのは、退職手当が失業給付に相当する額に満たない場合に差額が支給される「失業者の退職手当」です。

退職手当をもらっていても失業者の退職手当は受け取れますか?

退職手当の額が失業給付に相当する額より少ない場合は、その差額が支給されます。退職手当が同額か多い場合は対象になりません。勤続年数や給与で変わるため、所属先の担当課で確認してください。

手続きはいつまでにすればよいですか?

退職の日の翌日から1年以内に失業していることが条件です。退職票の交付や受給資格者証の手続きに日数がかかるため、退職日が決まった時点で所属先に確認しておくと間に合いやすくなります。

非常勤や再任用の職員でも受給できますか?

自治体によって異なります。常勤職員を対象とし、非常勤職員や再任用職員を対象外とする自治体があります。所属していた自治体や官庁の案内で確認してください。

病気で働けない期間があると受給できなくなりますか?

病気やけが、妊娠、出産、育児などで30日以上続けて働けない場合は、受給期間を延長できる仕組みがあります。延長には申請が必要なため、働けない状態になった時点でハローワークか所属先に相談してください。