この記事では、厚生労働省の令和7年調査とdodaの年代別データをもとに、転職で年収が上がる人の割合と年代別の相場を整理します。年収が上がる人・下がる人の違いと、年収アップを狙う進め方も解説します。
転職の年収アップ相場|上がる人は40.8%、下がる人は31.0%
厚生労働省の令和7(2025)年「雇用動向調査」(2026年8月31日公表)によると、1年間に転職した人のうち、前職より賃金が増えたのは40.8%でした。減ったのは31.0%、変わらなかったのは25.5%です。
| 前職と比べた賃金 | 割合 | 前年(令和6年)との差 |
|---|---|---|
| 増加 | 40.8% | +0.3ポイント |
| うち1割以上の増加 | 28.2% | -1.2ポイント |
| うち1割未満の増加 | 12.6% | +1.4ポイント |
| 変わらない | 25.5% | -2.9ポイント |
| 減少 | 31.0% | +1.6ポイント |
| うち1割未満の減少 | 9.2% | +1.6ポイント |
| うち1割以上の減少 | 21.9% | +0.2ポイント |
出典:厚生労働省「令和7(2025)年雇用動向調査結果の概況」。調査上は賃金の増減で、パートタイム労働者も含みます
年収アップは、転職した全員に起きることではありません。上がる人は約5人に2人で、3人に1人ほどは下がっています。前年と比べると、増えた人の割合はほぼ横ばいでしたが、1割以上増えた人は1.2ポイント減り、1割未満の減少が1.6ポイント増えました。
雇用期間の定めのない一般労働者どうしの転職に限ると、「増加」が「減少」を15.5ポイント上回ります(全体では9.8ポイント)。
「前職の1割増し」は金額にするといくら?
転職の年収アップ相場として、前職の1割増しがよく挙げられます。厚労省の区分も「1割以上」で分かれており、1割以上増えた人は28.2%、賃金が増えた人の中では約7割にあたります。
| 前職の年収 | 1割アップの年収 | 増える金額 |
|---|---|---|
| 400万円 | 440万円 | +40万円 |
| 500万円 | 550万円 | +50万円 |
| 600万円 | 660万円 | +60万円 |
| 700万円 | 770万円 | +70万円 |
この水準に届くのは、転職者全体の約3割です。届かなかったから失敗、とは限りません。賞与や手当、残業の有無、勤務地まで含めた総合条件で、転職の満足度は変わります。
年代別の転職年収アップ相場|20代は+21万円、40代は-6万円
年代で見ると、相場の景色は変わります。割合は厚労省、金額はdodaのデータで確認します。
厚労省データ|年代別に見た「1割以上アップ」の割合
| 年齢階級 | 賃金が増加 | うち1割以上増加 | 賃金が減少 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 55.2% | 44.2% | 17.5% |
| 25〜29歳 | 49.8% | 34.2% | 23.9% |
| 30〜34歳 | 48.6% | 32.8% | 29.0% |
| 35〜39歳 | 43.5% | 32.8% | 23.9% |
| 40〜44歳 | 44.9% | 29.9% | 27.4% |
| 45〜49歳 | 41.1% | 30.0% | 30.1% |
| 50〜54歳 | 29.4% | 18.4% | 42.0% |
| 55〜59歳 | 25.5% | 16.8% | 38.9% |
出典:厚生労働省「令和7(2025)年雇用動向調査結果の概況」表6(転職入職者の賃金変動状況)
1割以上増えた人の割合は、20〜24歳の44.2%を最高に、年齢が上がるにつれておおむね低下します。50〜54歳では、賃金が減った人(42.0%)が増えた人(29.4%)を上回ります。
doda|金額で見る年代別の年収アップ相場
| 年代 | 転職後の平均決定年収 | 転職前後の平均年収差 | 年収が増えた人 |
|---|---|---|---|
| 20代 | 420万円 | +21万円 | 64.0% |
| 30代 | 502万円 | +10万円 | 58.4% |
| 40代 | 559万円 | -6万円 | 半数超 |
出典:doda「年代別 転職時の年収変動レポート(2025年度版)」(2026年7月16日発表)。dodaのエージェントサービスで転職が決まった人が対象
20代は平均+21万円で、年収が増えた人は64.0%。30代は+10万円で58.4%です。40代は平均-6万円ですが、2023年度の-7万円からマイナス幅は縮んでいます。
dodaの数字は、dodaのエージェントサービスで転職が決まった人の平均です。厚労省の調査とは対象が異なるため、2つの数字を並べて優劣をつけるのではなく、年代ごとの傾向を見る材料として使ってください。
- 20代:平均+21万円。年収が増えた人は64.0%と、3人のうち2人近くが上がっています
- 30代:平均+10万円。増えた人は58.4%ですが、アップ幅は20代の半分ほどです
- 40代以降:dodaでは平均-6万円、厚労省でも50代前半から減少が増加を上回ります。上がる根拠(役割・実績)を示せる求人に絞って進める必要があります
転職で年収が上がる人に共通する3つの条件
公的な統計には、年収が上がった理由までは載っていません。ここからは、年収が上がるケースで一般的に共通する条件を3つに整理します。
現在の年収が、応募先の給与レンジより低い
企業は、応募ポジションの給与レンジと本人の経験・実績を照らして提示額を決めるのが一般的です。現職の年収が同じ職種の市場水準より低ければ、レンジの中位に収まるだけで年収は上がります。逆に、現職がすでに高待遇なら、同じ職種での年収アップは難しくなります。
自分がどちらに当たるかは、同じ職種・同じ経験年数の求人票を5〜10件並べると見えてきます。年収レンジの下限と上限を書き出し、現年収がどの位置にあるかを確認してください。
求人の必須要件に、これまでの経験が重なっている
前職の経験をそのまま持ち込める職種・業界への転職は、年収が上がりやすくなります。未経験の職種へ移る場合は、経験者と同じ給与テーブルに乗れず、年収が下がるケースが少なくありません。
未経験の職種へ移るときの年収と年齢の現実は、異業種への転職で年収がどう動くかの記事で整理しています。
希望額と根拠を、内定前に伝えている
提示年収は、多くの場合、企業側が先に枠を決めています。内定が出てから金額を動かすのは難しく、選考中に希望額と根拠(現年収の内訳、実績、他社の選考状況)を伝えられた人のほうが、提示額に反映されやすくなります。
交渉の具体的なタイミングは、後述の「進め方」で解説します。
ここまで読んで、「自分の経験ならどのあたりの年収が狙えるのか」が気になっているなら、第三者の視点で確認する方法があります。転職エージェントに相談すれば、現年収と経験をもとに、応募できる求人の年収レンジを具体的に見比べられます。
転職で年収が下がる人が見落とす落とし穴
期待して動いたのに、提示額が現年収とほぼ同じだった。年収アップを目的にした転職では、こうした落差が起こりがちです。落差の多くは、求人票の年収の読み方と、比べる土俵のずれから生まれます。
| 確認する項目 | 見るべき点 | 見落とした場合 |
|---|---|---|
| 固定残業代 | 基本給と、何時間分の固定残業代が含まれているか | 基本給は前職より低く、残業が少ないと総額も下がる |
| 賞与 | 前年の支給実績、算定期間、支給日に在籍している必要があるか | 初年度は満額が出ず、想定年収を下回る |
| 想定年収の幅 | 下限と上限のどちらが自分の経験に当たるか | 上限を見て応募し、下限で提示される |
| 前職との比較基準 | 前職の残業代・賞与を含めた金額と比べていないか | 総額は上がっても、基本給は下がっている |
求人票の年収と、手取りや賞与を含めた実際の収入のずれは、年収計算にボーナスを含めるかどうかの解説でも詳しく整理しています。
年収だけで選んだ転職先で、仕事の中身や働き方が合わず、短期間で辞める。その後の転職では、前職より低い年収からやり直しになることもあります。提示額が高い求人には、高い理由があります。求められる役割と業務量を、面接で具体的に確認してください。
年収アップを狙う転職の進め方|交渉のタイミングと手順
手順1:現年収の内訳を書き出す
基本給、賞与、残業代、各種手当に分けて、直近1年分の金額を書き出します。内訳がわかると、応募先の提示額と同じ条件で比べられます。
手順2:希望額と最低ラインを決める
「この金額なら入社する」という最低ラインと、「ここまで上がれば満足」という希望額を、先に決めます。たとえば現年収500万円なら、最低ラインは500万円、希望額は550万円(1割アップ)といった決め方です。迷ったときの基準になります。
手順3:交渉は、金額を聞かれたときと内定前後に行う
| タイミング | やること |
|---|---|
| 応募書類・初回面接 | 希望年収は幅で記入し、金額の交渉はしない |
| 条件面談・最終面接で金額を聞かれたとき | 希望額と、その根拠(実績・現年収の内訳)を伝える |
| 内定後・オファー提示後、承諾する前 | 提示額が最低ラインに届かないとき、最後の交渉を行う。承諾後は金額を動かせない |
手順4:在職中に進め、退職時期は賞与も見て決める
年収交渉の余裕は、在職中に転職活動をしているかどうかで変わります。収入が途切れない状態なら、条件が合わない求人を見送れます。進め方は在職中の転職活動の進め方で解説しています。
退職日は、賞与の支給日に在籍しているかどうかで手取りが変わります。退職のタイミングとボーナスの関係を確認してから、退職を伝える時期を決めてください。
希望額の決め方や、交渉の切り出し方に手が止まっているなら、一人で抱えずに専門家へ相談する方法があります。企業との金額のやり取りを代わりに行うエージェントを使えば、自分では言い出しにくい条件も伝えてもらえます。
まとめ
転職の年収アップ相場のまとめ
- 年収が上がる人は40.8%、1割以上アップは28.2%。下がる人も31.0%います
- 年代別の平均はdodaで20代+21万円、30代+10万円、40代-6万円
- 上がる人の条件は、現年収が給与レンジより低いこと、経験が重なること、内定前に希望額と根拠を伝えていること
- 提示額は、固定残業代・賞与・比較基準をそろえて確認する
相場は目安です。現年収の内訳と経験を出発点に、狙える水準を具体的な求人で確かめてください。
転職の年収アップ相場に関するよくある質問
転職で年収が上がる人の割合はどれくらいですか?
転職の年収アップの平均額はいくらですか?
未経験の職種に転職しても年収は上がりますか?
年収交渉は、いつ切り出せばよいですか?
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| URL | https://recree.jobree.co.jp/ |
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| 資本金 | 6,000,000円(資本準備金含む) |
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