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【2026年版】建設業の利益率ランキング|業種別・企業規模別の平均を徹底比較

この記事では、2026年3月期の最新決算データをもとに建設業の利益率ランキングと業界全体の実態を解説します。

自社の利益率が業界平均より高いのか低いのかを確かめたい経営者・経理担当の方は、ランキングとあわせて後半の改善策も確認してください。DXや設備投資に使える返済不要の補助金・助成金は、みんなの助成金で先に探しておくと、手元資金を大きく減らさずに改善の手を打ちやすくなります。

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【基礎知識のおさらい】建設業の利益率とは?

利益率には粗利益率、営業利益率、経常利益率、純利益率の4種類が存在します。
種類によって計算方法も意味も異なるため、混同しないよう整理しておきましょう。

利益率の4つの種類(粗利・営業・経常・純利益率)

建設業で使われる主な利益率は以下の4種類です。それぞれ計算に使う「利益」が異なります。

利益率の種類計算式何を見るか
粗利益率(売上総利益率)粗利益 ÷ 売上高 × 100工事自体の収益力
営業利益率営業利益 ÷ 売上高 × 100本業全体の収益力
経常利益率経常利益 ÷ 売上高 × 100財務活動を含めた収益力
純利益率純利益 ÷ 売上高 × 100最終的な収益力

建設業では工事原価(材料費・労務費・外注費)が大きいため、粗利益率と営業利益率に大きな開きが出るのが特徴です。業界の比較には「営業利益率」が最もよく使われます。

建設業で利益率管理が重要な理由

建設業は「受注生産型」のビジネスモデルです。1件1件の案件ごとに原価が異なるため、受注時の見積もりミスや工事中のコスト増が、そのまま利益率の低下に直結します。

  • 受注案件ごとに利益率が変わるため、全体の収益管理が難しい
  • 工期延長・資材高騰など外部要因で予想外のコストが発生しやすい
  • 下請け構造が複雑なため、マージンが重なるほど末端の利益率が圧迫される
  • 資金繰りに直結するため、経営の安定性を測る重要指標となる

こうした特性から、建設業では利益率を常に意識した経営管理が求められています。

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建設業の利益率ランキング

ここからは実際のデータをもとに、企業規模別・業態別の建設業利益率ランキングを紹介します。2026年3月期は資材高騰の価格転嫁が進み、上場ゼネコン各社の利益率が大幅に改善しました。各社の売上高・年収を含む総合ランキングもあわせて確認してみてください。

【2026年版】ゼネコン売上・平均年収ランキング 26社の徹底比較 ゼネコンランキング|スーパーゼネコン・売上・年収まで徹底解説【2026最新版】

建設業全体の平均利益率(公的データより)

公的な統計データと上場企業の最新決算をもとに、建設業全体の利益率平均をまとめます。

指標建設業全体の平均
売上高総利益率(粗利率)約25〜26%(公的統計)
売上高営業利益率約4〜5%
上場ゼネコンの営業利益率約5〜9%(2026年3月期)
中小企業の営業利益率約2.5〜3%

粗利率が約25%なのに対し、営業利益率は約4〜5%と大きく下がります。これは販管費(人件費・営業費用など)の負担が大きいためです。2026年3月期は価格転嫁の進展により、上場大手ゼネコンの営業利益率が軒並み改善し、平均7%を超える水準に達しています。一方、中小企業との格差はさらに拡大傾向にあります。

スーパーゼネコン5社の営業利益率ランキング

大林組・鹿島建設・清水建設・大成建設・竹中工務店のスーパーゼネコン5社について、2026年3月期(最新本決算)の営業利益率を比較します。各社の年収や強みはスーパーゼネコン5社の売上・年収ランキングでも比較しています。

スーパーゼネコン(スーゼネ)とは?主要5社を特徴・強み・実績・年収で徹底比較 非公開: スーパーゼネコンとは|5社の売上・年収比較【2026】
順位会社名営業利益率
1位大成建設9.0%
2位鹿島建設7.8%
3位大林組7.5%
4位清水建設5.9%
5位竹中工務店5.4%
平均–7.1%

2026年3月期は全5社が前期比で大幅増益を達成しました。大成建設が9.0%でトップに躍り出たのは、不採算工事の解消と選別受注が奏功した結果です。鹿島建設は建設業界初の売上3兆円超えを記録しつつ7.8%を維持。スーパーゼネコン全体の平均は7.1%と、前期の4.8%から大幅に改善しました。

準大手ゼネコンの営業利益率ランキング

準大手ゼネコン主要5社のランキングです。2026年3月期は工事採算性の改善が業界全体に波及し、準大手もスーパーゼネコンに匹敵する利益率を記録しています。

順位会社名営業利益率
1位長谷工コーポレーション7.8%
2位安藤ハザマ7.6%
3位西松建設7.1%
4位五洋建設7.0%
5位戸田建設5.9%
平均7.1%

長谷工コーポレーションが7.8%でトップとなり、マンション事業に特化した収益モデルの強さを示しました。安藤ハザマは前期の8.5%から7.6%に低下したものの依然として高水準です。準大手5社の平均は7.1%と、スーパーゼネコンと同水準まで改善しています。

中堅ゼネコンの営業利益率ランキング

中堅ゼネコンの中で2026年3月期決算が確認できた主要4社の営業利益率を比較します。売上高・年収の比較は中堅ゼネコン13社の徹底比較もあわせてご確認ください。

中堅ゼネコンランキングTop10 中堅ゼネコンランキング2026|売上高・年収・一覧13社を各社の強みで徹底比較
順位会社名営業利益率
1位東亜建設工業6.7%
2位東洋建設6.0%
3位奥村組5.2%
4位淺沼組4.1%
平均5.5%

東亜建設工業は海外大型案件の好調で6.7%を記録し、中堅トップの座を獲得しました。東洋建設(6.0%)は大成建設による買収が進行中で、今後はグループ企業として再編される見通しです。中堅ゼネコン全体でも前期比で利益率が改善しており、価格転嫁の浸透が中堅クラスにも広がっていることがうかがえます。

中小・下請け建設業者の利益率の実態

大手ゼネコンが5〜9%台の営業利益率を記録する一方、中小建設業者の営業利益率は平均2.5〜3%程度と低水準にとどまっています。大手の利益率改善に比べ、中小企業への恩恵は限定的です。

また、粗利率(売上総利益率)で見ると、売上規模が大きくなるほど粗利率が低下する傾向があります。

売上規模粗利率(売上高総利益率)
5,000万円未満33.72%
5,000万〜1億円約25〜28%
1億〜20億円約18〜25%
20億円以上15.32%

小規模な業者ほど粗利率が高い傾向があります。これは専門職人や個人事業主が高単価の専門工事を直接受注できるケースがある一方、下請け業者の場合は元請けへのマージン分が差し引かれるため、実質的な手取りが圧縮される構造があるためです。

業種別で見る建設業の利益率比較

建設業と一口に言っても、「土木」「建築」「住宅」「設備」など業種によって利益率には差があります。どの分野が収益性が高いのかを把握しておくことは、転職・就職先を選ぶ際にも重要な視点です。

土木・建築・住宅・設備の粗利率比較

建設業経理研究所の統計データによると、業種別の粗利率(売上高総利益率)には以下のような差があります。

業種粗利率(売上高総利益率)
設備工事業29.58%(最高)
建設業全体平均25.65%
建築工事業約22〜25%
土木・建築工事業18.1%(最低)

設備工事業(電気・管工事など)は粗利率29.58%と最も高いのが特徴です。専門性が高く代替が利きにくいため、適正な工事単価を維持しやすい傾向があります。一方、土木・建築工事業は18.1%と最低水準で、大規模な材料費・外注費がかかる大型工事の影響を受けやすい構造になっています。

元請け・下請けの利益率の差

建設業の利益率を考える上で欠かせない視点が「元請け・下請けの構造」です。同じ工事でも、元請けとして発注者から直接受注するか、大手の下請けとして入るかで、手元に残る利益は大きく変わります。

  • 元請け(直接受注):発注者との直接契約により、マージンのロスがなく利益率を高く保ちやすい
  • 一次下請け:元請けへのマージン(一般的に3〜10%程度)が差し引かれる
  • 二次・三次下請け:重層的な下請け構造により、マージンが積み重なって利益率が圧迫される
  • 専門工事の直受け:元請けを介さずに建て主・事業主と直接契約できれば高い利益率が期待できる

建設業では依然として多重下請け構造が多く、特に中小企業や職人が直接的に利益率を改善するには、元請け化・直受け化を目指すことが重要な戦略となっています。

建設業の利益率が低い3つの原因

「建設業は仕事があっても儲からない」という声をよく聞きます。その背景には、構造的な問題が3つ存在しています。

①資材価格の高騰

鉄鋼・木材・セメント・コンクリートなど主要建設資材の価格は、近年急激に上昇しています。2021年1月比で2025年12月時点、土木部門で約41%、建築部門で約37%も資材価格が上昇しています(総合資格navi調べ)。

コロナ禍以降のサプライチェーン混乱、ウクライナ・中東情勢による資源価格の不安定化、円安による輸入コスト増など、複合的な要因が重なっています。セメントは2020年比で+66%(2026年2月時点)と過去最高水準に達し、建設物価指数は2015年比で40〜50%上昇しています。

②人件費の上昇と人手不足

建設業では慢性的な人手不足が深刻です。高齢化の進む職人層と、若年層の建設業離れが重なり、労働力確保のための賃金上昇が続いています。2024年4月に施行された「時間外労働の上限規制(建設業の2024年問題)」から1年以上が経過し、その影響が本格的に表れています。

  • 時間外労働が制限され、1人あたりの作業量が減少
  • 工期延長を余儀なくされるケースが増加
  • 追加の人件費・外注費が発生
  • 採用コストの増大(人材不足による競合採用)

こうした要因が重なり、企業全体の人件費率が上昇しています。公共工事設計労務単価は2021年度比で22.9%引き上げられており(2025年度)、人件費の上昇圧力は今後も続く見込みです。

③価格転嫁の困難さ

コスト上昇分を請負金額に反映させる「価格転嫁」が難しいという問題もあります。M&Aキャピタルパートナーズの調査では、建設業経営者の57.7%が「価格転嫁できず採算性が悪化している」と回答しており、54.8%が「請負額と工事費の乖離」を経営課題として挙げています。

ただし2026年3月期の決算では、大手ゼネコンを中心に価格転嫁が進んだことで営業利益率が大幅に改善しました。国土交通省の適正取引推進施策の効果が、大手から徐々に浸透しつつあります。中小の下請け企業にも今後この流れが広がるかが、業界全体の利益率改善の鍵を握っています。

建設業で利益率を高める5つの戦略

厳しい経営環境の中でも、実際に高い利益率を維持しているゼネコン・建設会社には共通した特徴があります。利益率向上のために有効な戦略を5つ紹介します。

①コスト管理の徹底

工事ごとの原価管理を徹底し、予算オーバーを防ぐことが基本中の基本です。具体的には、

  • 受注前の精緻な見積もり作成(積算精度の向上)
  • 工事中の工程管理・資材発注のタイミング最適化
  • 仕入れルートの見直しによる資材コストの削減
  • 外注費の最適化(信頼できる協力業者との長期取引)

受注時の「目標原価」を設定し、工事完了まで追跡管理する仕組みを整えることが、利益率改善の第一歩です。

②適正価格での受注・価格転嫁の推進

「仕事を取るために値引きをしすぎる」という悪循環を断ち切ることが重要です。資材価格や労務費の上昇分は、適切に請負金額に転嫁する必要があります。

国土交通省や公正取引委員会も、建設業における適正な価格転嫁を推進する方針を打ち出しており、下請け企業が元請けに対してコスト上昇分を交渉できる環境が整いつつあります。利益率が低い原因に「無理な値引き受注」がある場合、勇気を持って採算の合わない案件を断る判断も必要です。

③DX・IT活用による業務効率化

施工管理アプリ・積算ソフト・BIM(建築情報モデリング)などのITツールを導入することで、業務効率が大幅に改善できます。

  • 積算・見積もりの自動化による時間短縮と精度向上
  • 施工管理のデジタル化による現場の工期短縮
  • 図面・書類管理のクラウド化による書類作業の削減
  • 遠隔監視・ドローン活用による検査・点検コストの削減

特に人手不足の中で生産性を上げるにはDX投資が最も効果的であり、高い利益率を維持している企業ほどITツールの活用に積極的な傾向があります。

一方で、ツールの導入費用がネックになり、DXに踏み切れない中小建設会社も少なくありません。その場合は、返済不要の補助金を組み合わせて初期負担を抑える方法があります。たとえば旧「IT導入補助金」は2026年度から「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わり、中小企業・小規模事業者のITツール導入費用の一部が補助されます。自社が使える制度がわからない場合は、補助金・助成金の情報を横断して探せるみんなの助成金で条件に合う制度を先に洗い出しておくと、ツール選定と申請準備を並行して進められます。

参考:みんなの助成金

④専門性・差別化の強化

「どこでもできる工事」で受注競争をしていると、価格競争に巻き込まれて利益率が下がる一方です。特定の分野に特化し、他社が参入しにくいポジションを確立することが利益率向上の強力な戦略です。建設業の資格ランキング20選では、差別化に有効な資格を難易度・年収別に比較しています。

建設業の資格ランキング20選|おすすめの資格を難易度・年収・転職価値で徹底比較【2026年版】
  • 特定工種への特化(橋梁・トンネル・プラント・リニューアル工事など)
  • 資格・認定の取得による付加価値向上(施工管理技士・技術士など)
  • 環境・ZEB・耐震など社会課題対応の専門分野への参入
  • 地域密着型の信頼関係構築による競合排除

⑤優秀な人材の確保と定着

建設業の利益率は「人」に大きく左右されます。優秀な施工管理者・現場監督がいれば工期短縮・品質向上・コスト削減が同時に実現でき、利益率の改善に直結します。

採用面では、建設業専門の転職・求人サービスを活用することで、即戦力となる人材にアプローチしやすくなっています。人材確保を「コスト」ではなく「投資」と捉え、適切な処遇・職場環境の改善を進める企業が利益率の高い傾向にあります。

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まとめ

  • 建設業全体の営業利益率は約4〜5%。上場大手ゼネコンは7%超と大幅改善(2026年3月期)
  • スーパーゼネコン利益率トップは大成建設(9.0%)、準大手トップは長谷工コーポレーション(7.8%)
  • 業種別では設備工事業が粗利率29.58%と最高、土木・建築工事業18.1%が最低
  • 資材高騰(土木41%・建築37%上昇)・人手不足・価格転嫁困難が利益率低下の3大要因
  • 利益率向上にはコスト管理・価格転嫁・DX・専門化・人材確保の5戦略が有効

建設業の利益率は企業規模・業種・受注形態によって大きく異なります。2026年3月期は大手を中心に利益率が大幅に改善しましたが、中小企業への波及はまだ限定的です。自社の利益率を業界データと比較しながら、改善策を検討する際の参考にしてください。

建設業の利益率に関するよくある質問

Q. 建設業の利益率の目安はどのくらいですか?

粗利率(売上高総利益率)の目安は約20〜25%、営業利益率は中小企業で約2.5〜3%、上場大手ゼネコンで7%前後です。2026年3月期のスーパーゼネコン5社平均は7.1%と過去最高水準に達しています。業種別では設備工事業の粗利率が高く(約29.58%)、土木・建築工事業は低め(約18.1%)の傾向があります。

Q. ゼネコンの中で一番利益率が高い会社はどこですか?

2026年3月期のデータでは、スーパーゼネコン5社の中で大成建設が営業利益率9.0%でトップとなりました。準大手では長谷工コーポレーション(7.8%)、安藤ハザマ(7.6%)が高水準です。前期までトップだった安藤ハザマは7.6%に低下しましたが、依然として業界上位に位置しています。

Q. 建設業の利益率が低い主な原因は何ですか?

主な原因は3つです。①資材価格の高騰(2021年1月比で2025年12月時点、土木41%・建築37%上昇)、②人手不足に伴う人件費上昇と2024年問題による労働規制強化(公共工事設計労務単価は2021年度比で22.9%上昇)、③コスト上昇分を請負金額に反映させる価格転嫁の困難さです。ただし2026年3月期は大手を中心に価格転嫁が進み、利益率は大幅に改善しています。

Q. 中小建設業者の利益率はどのくらいですか?

中小建設業者の平均営業利益率は約2.5〜3%と、上場大手ゼネコン(約7%)に比べて低い水準にあります。ただし粗利率(売上高総利益率)では、売上5,000万円未満の小規模事業者が33.72%と高い数値を示すケースもあります。これは専門職人や個人事業主が高単価の専門工事を直接受注できるためです。元請け化・専門特化による差別化が利益率改善に有効です。