この記事では、転職時に必要な書類を「応募時」「退職時」「入社時」の3場面に分けて一覧で整理します。会社から受け取る書類と提出する書類の区別、退職後の手続き期限、書類が間に合わないときの対処もまとめました。
転職時に必要な書類は「応募・退職・入社」の3場面で考える
転職の書類は、いつ・誰に・何を渡すかで3つに分かれます。応募時は自分で作って応募先に出す書類、退職時は現職に返す書類と現職から受け取る書類、入社時は受け取った書類を転職先に出す書類です。
| 場面 | 主な書類 | やりとりの相手 |
|---|---|---|
| 応募時 | 履歴書・職務経歴書・資格証明書など | 応募先企業へ提出 |
| 退職時(返却) | 健康保険被保険者証・社員証・貸与品など | 現職へ返却 |
| 退職時(受取) | 雇用保険被保険者証・源泉徴収票・基礎年金番号通知書など | 現職から受け取る |
| 入社時 | 雇用保険被保険者証・源泉徴収票・マイナンバー・各種届出書など | 転職先へ提出 |
応募書類は自分で作るため漏れにくい一方、退職時に受け取る書類は現職の担当者が用意します。最終出社日の引き継ぎに追われて受け取りの確認を後回しにすると、退職後に元の職場へ連絡を入れる気まずさを抱えることになります。受け取りの確認は、退職日の1週間前までに済ませておくのが安全です。
応募時に必要な書類
転職活動の段階で求められるのは、次の書類です。応募先の指定があればそちらが優先されます。
- 履歴書:氏名・連絡先・学歴・職歴など、経歴の骨格を伝える書類
- 職務経歴書:担当業務や実績の中身を伝える書類。求人によっては不要とされる
- 資格・免許の証明書:応募条件に資格が含まれる求人で、応募時か面接時に求められる
- ポートフォリオ:デザイナーなど制作系の職種で求められる
- 送付状:郵送で応募するときに一番上へ添える
職務経歴書を出すかどうかは、求人票の記載で決まります。「職務経歴書は不要」とある求人の扱いは、職務経歴書を出さなくてよい求人の判断基準で整理しています。
郵送で応募する場合は、書類を重ねる順番や封筒に入れる向きにも決まりがあります。履歴書・職務経歴書の封筒への入れ方を見ておくと、封入直前に迷いません。
退職時に返却する書類・受け取る書類
退職日が決まったら、現職との間でやりとりする書類を洗い出します。返却するものは引き継ぎのついでに済みますが、受け取る書類は自分から確認しない限り、揃わないまま退職日を迎えることがあります。
現職に返却するもの
- 健康保険被保険者証:退職日の翌日から使えなくなる。扶養家族がいる場合は家族分も返却する
- 社員証・名刺
- 通勤定期券:会社が支給していた場合
- 制服・作業着・貸与されたパソコンや携帯電話
- 業務に関する書類・データ・顧客リスト
必ず受け取る3つの書類
転職先への提出や年末調整で使うため、次の3つは退職前に手元へ揃えておきます。
| 書類 | 主な用途 | 手元にないとき |
|---|---|---|
| 雇用保険被保険者証 | 転職先での雇用保険の加入手続き | 被保険者番号がわかれば手続きできる場合がある。紛失時はハローワークで再発行 |
| 源泉徴収票 | 転職先での年末調整、確定申告 | 前の勤務先に再発行を依頼する |
| 基礎年金番号通知書(または年金手帳) | 転職先での厚生年金の加入手続き | 番号が確認できれば足りる場合が多い。マイナポータルでも確認できる |
年金手帳は2022年4月に廃止され、新たに加入する人には基礎年金番号通知書が交付されています。すでに持っている年金手帳は、基礎年金番号を証明する書類として引き続き使えます。
源泉徴収票は、最終の給与を支払ったあとに発行されます。退職日に手渡されず、後日郵送になる会社もあるため、いつ届くのかを担当者に聞いておくと安心です。同じ年のうちに転職先で年末調整を受ける場合、前職の分も含めて計算するため、この源泉徴収票を転職先へ出すことになります。
状況に応じて受け取る書類
| 書類 | 必要になる場面 | 補足 |
|---|---|---|
| 離職票 | 失業給付を申請するとき | 転職先が決まっていれば通常は不要。入社まで間が空く、または入社が流れる可能性があるなら退職前に希望を伝える |
| 健康保険資格喪失証明書 | 国民健康保険に加入するとき、家族の扶養に入るとき | 勤務先に申請して受け取る |
| 退職証明書 | 転職先から求められたとき | 労働基準法第22条により、請求すれば会社は遅滞なく交付する。記載する項目は請求する側が選べる |
離職票は、希望の有無を確認されたうえで手続きされる場合があります。「転職先が決まっているから不要」と決めつける前に、入社日までに空白期間ができないかを確かめてください。
書類を揃える前に、入社日と退職日をどう合わせるかが決まらないと、手続きの期限も確定しません。転職エージェントに相談すると、求人の選び方から退職時期の調整まで、進め方を整理できます。
入社時に転職先へ提出する書類
内定後、人事から提出書類の案内が届きます。多くの会社で共通して求められるのは次の書類です。
| 書類 | 入手先 | 補足 |
|---|---|---|
| 雇用保険被保険者証 | 前の勤務先 | 提出後は自分で保管する |
| 源泉徴収票 | 前の勤務先 | 退職した年のうちに入社する場合に提出 |
| マイナンバーがわかる書類 | 自分 | マイナンバーカードや通知カードの写しなど。社会保険の加入手続きで使う |
| 基礎年金番号がわかる書類 | 自分 | 年金手帳や基礎年金番号通知書。番号が確認できれば足りる場合が多い |
| 扶養控除等(異動)申告書 | 転職先 | 提出しないと、源泉徴収の税額が高くなる乙欄で計算される |
| 給与振込先届出書 | 転職先 | 給与を受け取る口座を届け出る |
会社によっては、次のような書類も求められます。
- 入社承諾書・入社誓約書
- 身元保証書:保証人が必要な場合のみ
- 住民票記載事項証明書:現住所の確認用
- 健康診断書:指定の医療機関での受診を求められる場合がある
- 資格・免許の証明書、卒業証明書
- 退職証明書:前職の退職を確認したい場合
- 健康保険被扶養者(異動)届:扶養家族がいる場合。家族のマイナンバーも必要
提出期限と必要な書類は企業によって異なります。内定通知書に記載がない書類は、人事担当者へ「いつまでに、どの書類が必要か」をメールで確認しておくと、入社直前に慌てずに済みます。
退職から入社までに空白期間があるときの手続き
退職日の翌日に転職先へ入社する場合、健康保険と厚生年金は転職先が手続きします。入社が1日でも後ろにずれると、その間の保険と年金は自分で切り替える必要があります。
| 手続き | 窓口 | 期限の目安 |
|---|---|---|
| 国民健康保険への加入 | 住所地の市区町村 | 退職日の翌日から14日以内 |
| 国民年金への切り替え | 市区町村の窓口 | 退職日の翌日から14日以内 |
| 健康保険の任意継続 | 退職前に加入していた健康保険組合・協会けんぽ | 退職日の翌日から20日以内 |
| 家族の扶養に入る | 家族の勤務先 | 速やかに |
国民健康保険は期限を過ぎても加入できますが、退職日の翌日にさかのぼって保険料を納めることになります。手続きが遅れると、保険証がない期間の医療費を一度全額自己負担する場合もあります。空白期間中に通院の予定があるなら、先に手続きを済ませてください。
任意継続は、20日の期限を1日でも過ぎると受け付けてもらえません。国民健康保険と保険料を比べて選ぶ場合は、期限から逆算して早めに試算します。
住民税の支払い方法は退職時期で変わる
- 1〜5月に退職:残りの住民税を、最後の給与などから一括で徴収するのが原則
- 6〜12月に退職:退職月分までは給与から天引きされ、翌月以降は納付書で自分で納める(普通徴収)
- 転職先が決まっている場合:手続きを経て、転職先の給与天引きに引き継げる
普通徴収の納期は、多くの自治体で6月・8月・10月・翌年1月の末日です。自治体によって扱いが異なるため、退職時の給与明細と、後日届く住民税の通知を見比べて金額に食い違いがないか確かめ、不明点は住所地の市区町村に問い合わせます。
書類が手元にない・間に合わないときの対処
受け取り漏れや紛失に気づいた時点で動けば、多くの書類は再発行できます。
| 書類 | 再発行・確認先 |
|---|---|
| 雇用保険被保険者証 | ハローワーク(窓口・電子申請・郵送) |
| 源泉徴収票 | 前の勤務先(退職後も再発行を依頼できる) |
| 基礎年金番号 | マイナポータル、お近くの年金事務所 |
| 退職証明書 | 前の勤務先 |
入社日までに提出が間に合わないとわかった時点で、人事担当者へ伝えて提出時期を相談します。社会保険の加入手続きや年末調整に使う書類は、黙って遅らせるより早く伝えたほうが、転職先の手続きに影響が出にくくなります。
退職前に確認しておきたいチェックリスト
- 雇用保険被保険者証と基礎年金番号がわかる書類を、会社から受け取った
- 源泉徴収票がいつ、どのように届くかを担当者に確認した
- 離職票が必要かどうかを、入社日との間隔から判断し、必要なら依頼した
- 健康保険被保険者証や貸与品を返却した
- 転職先の人事に、提出書類と期限を確認した
- 入社まで空白期間がある場合、国民健康保険と国民年金の手続き日を決めた
現職の担当者に頼めるのは、在職中の最後の数日間までです。退職後は、元の同僚に個別に連絡を取って依頼する形になるため、このチェックリストは最終出社日の前に埋めておくことをおすすめします。
書類の手続きが見えてきても、転職先がまだ決まっていないなら、進め方の相談から始められます。
まとめ
転職時に必要な書類のまとめ
- 転職の書類は「応募時・退職時・入社時」の3場面で整理する
- 退職時に受け取る雇用保険被保険者証・源泉徴収票・基礎年金番号がわかる書類は、退職前に確認する
- 入社まで空白期間がある場合、国民健康保険と国民年金は退職日の翌日から14日以内に切り替える
- 手元にない書類は、ハローワークや前の勤務先で再発行できる
受け取り漏れは、退職日の1週間前の確認で防げます。まずは人事担当者への確認から始めてください。
転職時に必要な書類に関するよくある質問
転職先が決まっていれば、離職票は不要ですか?
年金手帳をなくしてしまいました。転職先に提出できませんか?
退職後に源泉徴収票が届かない場合はどうすればよいですか?
提出書類が入社日までに揃わないときは、どうすればよいですか?
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