この記事では、転職を繰り返す人が採用現場でどう見られているかを調査データで確認し、繰り返してしまう原因の切り分け方と、次の転職を最後にするための会社選び・伝え方を解説します。
転職を繰り返す人は本当に不利?調査データで見る採用側の本音
不利になる場面はあります。マイナビの「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」では、中途採用を担当する人事の77.6%が選考時に転職回数を気にしていると回答しました(有効回答1,500名、2024年12月実施)。20代の応募者では、転職回数が3回以上だと採用を躊躇する担当者が66.4%にのぼります(転職回数を気にする担当者のうちの割合)。
一方で、全員が同じ見方をしているわけではありません。リクルートエージェントが紹介するアンケートでは、転職回数が「気にならない」と答えた採用担当者が37.0%いました。気になり始める回数は次のとおりです。
| 気になり始める回数 | 割合 |
|---|---|
| 3回 | 23.9%(最多) |
| 4回 | 13.1% |
| 5回 | 8.9% |
| 6回以上 | 2.1% |
3回が分かれ目になりやすいものの、20代では1〜2回でも躊躇する担当者が3割以上いるとされています。同じ回数でも、年齢や経歴の中身で受け取られ方は変わります。
転職回数が多いのは、少数派ではありません
インディードリクルートパートナーズが2024年に実施した調査(20〜50代の正社員18,022名)では、3回以上の転職経験がある人の割合は次のとおりでした。
- 30代:18.8%
- 40代:33.5%
- 50代:40%
40代では約3人に1人が3回以上転職しています。回数が多いことを理由に、ご自身の価値まで低く見積もる必要はありません。問われているのは回数そのものより、その中身です。
採用担当者が見ているのは回数ではなく「3つの点」
転職回数が気になる理由として、採用担当者からは「辞め癖がついていないか」「不満があるとすぐ辞めるのではないか」「どんなキャリアを描いて今に至ったのか」といった声が挙がっています。これを整理すると、見られているのは次の3点です。
1. 辞めた理由に一貫性があるか
会社ごとに理由がばらばらだと「場当たり的に動いている」と受け取られます。逆に、理由は違っても根にある軸が同じなら、一貫した判断として伝わります。
2. 今回は長く働く根拠があるか
「また辞めるのでは」という疑いに、言葉で否定しても届きません。この会社でなければならない理由と、入社後に何を積み上げたいかを具体的に示す必要があります。
3. 転職のたびに何が積み上がったか
在籍が短くても、担当業務や身についたスキルを説明できれば評価は変わります。経歴が点で並んでいるのか、線でつながっているのかが見られています。
- 過去の転職回数は変えられない
- 上の3点は、整理と準備次第で面接前に変えられる
転職を繰り返してしまう人の3つのパターン
繰り返す理由は人によって違いますが、傾向としては次の3つに分けられます。
| パターン | 特徴 | 起きがちなこと |
|---|---|---|
| 不満から離れる型 | 今の職場の不満が転職の出発点 | 次の職場でも別の不満が出て、同じ流れになる |
| 目的が定まらない型 | やりたいことが決まらず、条件で選ぶ | 入社後に「思っていたのと違う」と感じやすい |
| 入社後ギャップ型 | 選び方は妥当でも、聞いていた話と実態が違った | 会社側の要因で短期間に辞めることになる |
多くの人が心の底で恐れているのは、「やはり自分に問題があるのではないか」という点だと思います。ただ、3つ目の型は本人の資質ではなく、入社前の情報の取り方で防げる問題です。1つ目と2つ目も、原因がわかれば選び方を変えられます。
繰り返す原因を切り分ける5つの質問
転職理由は毎回違って見えても、並べてみると同じ原因が浮かぶことがあります。これまでの退職理由を会社ごとに紙へ書き出し、次の質問に答えてみてください。
- 退職理由に「人間関係」や「上司」が毎回入っていないか
- 辞めたのは入社何か月目か。毎回、似た時期ではないか
- 転職先を、年収や知名度など同じ基準だけで選んでいないか
- 入社前に、担当業務・残業・配属先を具体的に確認したか
- 次の会社で何を実現したいかを、一文で言えるか
1〜3つ目に共通の答えが出たなら、会社ではなく選び方や働き方の側に原因があるサインです。4つ目で「確認していない」が多いなら、情報不足によるミスマッチです。5つ目が言えないまま動くと、同じ失敗を繰り返しやすくなります。
- 毎回「会社が悪かった」と感じていても、並べると共通点が見つかることがある
- 共通点に気づけていること自体が、面接で示せる自己理解になる
ここまで読んで、5つの質問に一人で答えを出すのが難しいと感じたなら、第三者に整理してもらう方法があります。転職エージェントなら無料で相談でき、退職理由の整理や、求人票に載らない職場の実態の確認も任せられます。
次の転職で終わらせるための会社の選び方
会社選びの軸は「何から逃げたいか」ではなく「何を長く続けたいか」で作ります。逃げたい理由だけで選ぶと、次の職場で別の不満にぶつかるからです。軸が決まったら、入社前に次の項目を確認してください。
入社前に確認したい6項目
| 確認項目 | 確認の仕方 |
|---|---|
| 配属先・仕事内容 | 求人票ではなく、面接で「入社後1年の担当業務」を質問する |
| 残業時間の実績 | 月平均と繁忙期の最大値を分けて聞く |
| 平均勤続年数・離職率 | 面接で質問する。口コミや公開情報とも照らし合わせる |
| 評価の基準 | 誰が、何を基準に評価するかを聞く |
| 中途入社者の定着 | 同じ職種で入社した人が何年在籍しているかを聞く |
| 試用期間の条件 | 給与や待遇が本採用と変わらないかを確認する |
聞きにくい項目でも、長く働くための確認として質問すれば、前向きな姿勢として伝わります。入社前に聞かなかったことが、入社後のギャップになるケースは少なくありません。
在職中に動いて、焦りを防ぐ
無職の期間があると、収入への不安から条件を妥協して決めやすくなります。辞めるかどうか迷っている段階なら、先に動き始めて比較する余裕を残しておくほうが、結果的にミスマッチを減らせます。退職を切り出す時期の考え方は、退職のタイミングの決め方で整理しています。
転職回数が多くても通過する職務経歴書と面接の伝え方
回数を隠すことはできません。そのため、先ほどの3つの点(一貫性・長く働く根拠・積み上がり)に答える形で伝えます。
退職理由は「事実+学び+次に実現したいこと」で話す
理由を飾るのではなく、事実の中から次につながる部分を選んで話します。前職の不満を並べるのではなく、そこから何を学び、次に何を実現したいかまで続けるのがポイントです。
| 避けたい伝え方 | 改善した伝え方の例 |
|---|---|
| 上司と合わなかったので辞めました | 提案から実行まで任される範囲が小さい環境だったため、裁量を持って進められる職場を探しました |
| 仕事がきつかったので辞めました | 残業が常態化し、業務の改善に時間を割けなかったため、業務効率を重視する環境を選びたいと考えました |
| 思っていた仕事と違いました | 入社前の業務確認が不足していた点は反省しています。今回は担当業務を面接で具体的に確認したうえで応募しています |
職務経歴書は、時系列ではなく「軸」でまとめる
冒頭の職務要約に、転職を通じて一貫している軸を3〜4行で書きます。たとえば「顧客との折衝」「現場での工程管理」のように、会社が変わっても共通する経験です。
- 各社の在籍期間は省略せず、担当業務と成果を数字で書く
- 短期で辞めた会社も、そこで身についたことを1〜2行で添える
- 応募先で活かせる経験を、職務要約の最後に置く
面接では、長く働く根拠を具体的に話す
「御社で長く働きたいです」だけでは根拠になりません。応募先の事業や仕事内容のどこに魅力を感じたか、入社3年後にどんな役割を担いたいかまで話すと、定着への見通しが伝わります。
転職を繰り返す人がやってはいけないNG行動
- 辞めたい気持ちが高まった勢いで退職し、収入が途絶えた状態で次を探す
- 短期で辞めた会社を職務経歴書から省く。経歴を偽ると、内定取り消しなどにつながる可能性がある
- 前職の悪口を中心に退職理由を説明する
- 原因を分析しないまま、条件の良さだけで次の会社を選ぶ
- 回数を気にして、一人で応募先を絞り込みすぎる
入社後すぐに辞めてしまった場合の手続きや給付の条件は、再就職後すぐに退職した場合の失業保険で確認できます。
履歴の見せ方や応募先選びを自分だけで判断しようとすると、同じ視点のまま同じ選択をしがちです。これまで繰り返してきたなら、次は判断の材料を増やす番です。転職エージェントに回数の多さを伝えたうえで、通過しやすい求人と伝え方を一緒に組み立てる方法があります。
まとめ
- 採用担当者の77.6%が転職回数を気にするが、「気にならない」担当者も37.0%いる
- 見られているのは回数より、理由の一貫性・長く働く根拠・積み上がったスキルの3点
- 退職理由を会社ごとに書き出し、共通する原因を切り分ける
- 入社前に配属・残業・定着状況を具体的に確認し、ミスマッチを防ぐ
- 退職理由は「事実+学び+次に実現したいこと」で伝える
回数は変えられませんが、原因の切り分けと入社前の確認、伝え方は今日から変えられます。次の転職を最後にするための準備として、まず退職理由の書き出しから始めてください。
転職を繰り返す人に関するよくある質問
転職は何回までなら大丈夫ですか?
1年未満で辞めた会社は職務経歴書に書くべきですか?
転職を繰り返すと年収は下がりますか?
転職回数が多くても転職エージェントは使えますか?
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