この記事では、転職に必要な書類を応募時・退職時・入社時の3場面に分けて一覧にします。離職票や源泉徴収票など「受け取る書類」と「提出する書類」の違いに加え、退職前に会社へ確認しておきたいことも解説します。
転職の必要書類は「応募」「退職」「入社」の3場面で整理できます
転職で扱う書類は数が多く、名前も似ています。混乱する原因は、書類を「誰から受け取り、誰に出すのか」で分けていないことです。まず全体像を表で確認します。
| 場面 | 主な書類 | 準備先 | 提出先 |
|---|---|---|---|
| 応募時 | 履歴書・職務経歴書・送付状 | 自分で作成 | 応募先企業 |
| 退職時 | 離職票・雇用保険被保険者証・源泉徴収票・基礎年金番号がわかる書類 | 前の会社 | 一部を転職先へ提出 |
| 入社時 | 扶養控除等申告書・給与振込先届・入社承諾書など | 転職先から用紙を受け取る | 転職先 |
このうち、退職時の書類は会社に頼まないと手に入らないものが中心です。退職日を伝えた段階で、受け取る書類を人事・総務に確認しておくと、入社直前の手戻りを防げます。
応募時に必要な書類|履歴書・職務経歴書が基本
応募時に求められるのは、履歴書と職務経歴書の2点が基本です。郵送する場合は、送付状(添え状)を一番上にして同封します。書き方は履歴書の添え状の例文も参考になります。
- 履歴書:学歴・職歴・資格・志望動機など。写真の貼付や押印の要否は求人票の指定に従う
- 職務経歴書:担当した業務内容と実績を具体的に記載する書類
- 送付状:郵送で応募する場合に添える挨拶状
- 資格証・合格証の写し:応募条件に資格が含まれる職種で求められる
- ポートフォリオ:デザイン・制作系の職種で提出を求められる
手書きで作成する場合は黒のボールペンを使い、修正液は使わずに書き直します。PDFでメール送付するときは、ファイルにパスワードを設定し、パスワードは別のメールで伝えるのが一般的です。
退職時に会社から受け取る書類|退職前に頼まないと遅れるもの
退職日を過ぎると、会社へ書類の依頼はしにくくなります。「退職後に連絡するのは気が引ける」と後回しにした結果、入社日までに書類が揃わないケースは少なくありません。受け取る書類と時期は、退職を伝えた時点で確認するのが確実です。
| 書類 | 主な用途 | 受け取りの目安 | 転職先への提出 |
|---|---|---|---|
| 離職票 | 失業手当(基本手当)の申請 | 退職後10〜14日ほど | 原則不要 |
| 雇用保険被保険者証 | 雇用保険の加入記録の証明 | 退職日 | 求められることが多い |
| 源泉徴収票 | 前職の給与・所得税額の証明 | 退職後1か月以内 | 同じ年に入社する場合は必要 |
| 基礎年金番号通知書(年金手帳) | 基礎年金番号の確認 | 会社が保管している場合は退職時 | 番号がわかれば足りることが多い |
| 退職証明書 | 在籍期間・業務内容などの証明 | 請求したとき | 求められた場合のみ |
受け取りの目安は一般的な時期です。会社ごとに運用が異なるため、正確な日程は人事・総務に確認してください。
離職票は「転職先が決まっているなら原則不要」
離職票は、ハローワークで失業手当を申請するための書類です。次の勤務先が決まっていれば使う場面がなく、転職先への提出も不要です。会社は退職日の翌日から10日以内にハローワークへ手続きをするため、手元に届くまでは退職後10〜14日が目安になります。
入社までに空白期間がある場合や、退職後に就職先を探す場合は、発行を依頼しておく必要があります。なお、59歳以上の方は希望の有無にかかわらず交付が必要とされています。
源泉徴収票は年末調整に直結する
源泉徴収票は、年の途中で退職した場合、退職後1か月以内に会社が本人へ交付する決まりです(所得税法)。同じ年のうちに転職先へ入社するなら、転職先が前職分と合算して年末調整をするため、提出が必要になります。
- 同じ年に入社する場合:転職先へ提出すれば、年末調整で精算してもらえる
- 提出が間に合わない場合:自分で確定申告をして精算する
- 年内に再就職しない場合:確定申告で所得税を精算するときに必要になる
雇用保険被保険者証と年金の書類は「番号がわかれば足りる」ことが多い
雇用保険の被保険者番号は、転職しても変わりません。被保険者証が手元になくても、離職票に番号が記載されているため、そこから確認できる場合があります。
年金手帳は2022年4月に新規発行が終わり、基礎年金番号通知書に置き換わりました。手元にない場合でも、基礎年金番号かマイナンバーがわかれば手続きできるケースがほとんどです。転職先から指示があった場合は、その案内に従ってください。
退職を伝える時点で人事に確認しておく3つのこと
- 離職票が必要かどうか(必要な場合は発行の依頼)
- 源泉徴収票の受け取り方法と時期(退職後の送付先住所も伝える)
- 雇用保険被保険者証と年金手帳を会社が保管していないか
この3点は、退職日までに伝えておけば電話やメールでの追加確認が不要になります。退職後の連絡が不安な方ほど、先に済ませておくと気持ちが楽になります。
退職時に会社へ返却するもの
受け取る書類とは逆に、会社へ返すものもあります。返却漏れがあると退職手続きが長引くため、退職日までにリストを作っておきます。
- 健康保険被保険者証:転職先で新たに加入するため返却する
- 社員証・名刺:会社の社員であることを示すものはすべて対象
- 通勤定期券:会社から支給されていた場合
- 制服:クリーニングしてから返却するのが一般的
- 業務書類・データ・顧客リスト:手元に残さない
ここまで読んで、退職日や入社日の調整で手が止まっているなら、転職のプロに状況を整理してもらう方法があります。書類を揃える順番も、スケジュールに合わせて相談できます。
入社時に転職先へ提出する書類
入社時の書類の多くは、転職先から用紙が配られます。自分で用意が必要なのは、前の会社から受け取った書類と、役所や学校で取得する証明書類です。企業によって求める書類が違うため、内定後の案内を確認してください。
| 書類 | 内容・準備 | 必要な人 |
|---|---|---|
| 雇用保険被保険者証 | 前の会社から受け取ったものを提出 | 雇用保険の加入歴がある人 |
| 源泉徴収票 | 前の会社から受け取ったものを提出 | 同じ年に入社する人 |
| 基礎年金番号がわかるもの | 基礎年金番号通知書または年金手帳 | 企業が求める場合 |
| マイナンバー | マイナンバーカード、または番号がわかる書類 | 社会保険・税の手続きで必要 |
| 扶養控除等(異動)申告書 | 転職先で用紙を受け取り記入。未提出だと税の源泉徴収が高くなる | 原則全員 |
| 給与振込先届 | 転職先で用紙を受け取り記入 | 全員 |
| 健康保険被扶養者(異動)届 | 扶養家族がいる場合に記入 | 扶養家族がいる人 |
| 入社承諾書・誓約書 | 署名して提出。内容を確認してから記入 | 企業による |
| 身元保証書 | 保証人が必要な場合に提出 | 企業による |
| 健康診断書 | 企業が指定する医療機関で受診 | 企業による |
| 住民票記載事項証明書 | 市区町村役場で取得 | 企業による |
| 卒業証明書・資格証明書 | 出身校や発行元に申請 | 企業による |
卒業証明書や住民票記載事項証明書は、申請から手元に届くまで日数がかかることがあります。内定の連絡を受けたら、提出が必要になりそうな証明書類を先に確認しておくと、入社日直前に慌てずに済みます。
書類が間に合わないとき|トラブル別の対処法
書類は会社や役所の手続きを経て手元に届くため、自分では進められない場面があります。よくあるトラブルと対処を表にまとめます。
| 状況 | 対処法 |
|---|---|
| 離職票が届かない | 退職後2週間ほど経っても届かなければ、まず前の会社に手続き状況を確認。転職先が決まっているなら、そもそも不要 |
| 雇用保険被保険者証がない | 離職票に記載の被保険者番号を確認。わからなければ前の会社に問い合わせ、再発行はハローワークで手続き。転職先には状況を伝えておく |
| 源泉徴収票が届かない | 退職後1か月を過ぎたら前の会社に催促。年内に間に合わなければ確定申告で精算する |
| 年金手帳が見つからない | 基礎年金番号かマイナンバーで対応できる場合が多い。番号は「ねんきんネット」や年金事務所で確認できる |
どの場合も、転職先の人事に「手続き中で、いつ頃届く見込み」と先に伝えておくと、入社手続きの調整がしやすくなります。
内定から入社までの書類スケジュール
書類は、受け取れる時期が決まっています。時系列に並べると、いつ何を動かせばよいかが見えます。
- 内定後:転職先から案内された提出書類を確認し、証明書類(卒業証明書・住民票記載事項証明書など)の申請を始める
- 退職を伝えるとき:離職票の要否、源泉徴収票の送付方法、被保険者証・年金手帳の保管状況を人事に確認する
- 退職日:雇用保険被保険者証・年金手帳(会社保管の場合)を受け取り、健康保険証や社員証などを返却する
- 退職後10〜14日:離職票が必要な場合は届いているか確認する
- 退職後1か月以内:源泉徴収票を受け取る
- 入社日:扶養控除等申告書や給与振込先届など、転職先の書類を提出する
退職から入社まで間が空く場合は、国民健康保険・国民年金への切り替え手続きも市区町村の窓口で必要になります。
書類の準備に加えて、退職の伝え方や入社日の相談まで一人で抱えていると、判断を誤りやすくなります。状況を話すだけで、次に動く順番が整理できます。
まとめ
- 転職の必要書類は、応募時・退職時・入社時の3場面で整理できる
- 退職時の書類は会社に頼む必要があるため、退職を伝える時点で受け取り方を確認する
- 離職票は、転職先が決まっていれば原則不要
- 源泉徴収票は、同じ年に入社するなら転職先へ提出し、間に合わなければ確定申告で精算する
- 雇用保険被保険者証と年金の書類は、番号がわかれば足りる場合がある
どの書類がいつ手元に届くかを把握しておけば、入社日に向けた段取りを自分で組み立てられます。
転職の必要書類に関するよくある質問
転職先が決まっている場合でも離職票は必要ですか?
源泉徴収票が届かない、または紛失した場合はどうすればよいですか?
年金手帳がなくても入社できますか?
退職の意思を伝える前に、書類を会社へ依頼してもよいですか?
参考:履歴書の郵送方法5ステップ|封筒・切手・締切逆算の正解
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